好きな季節、なんて聞かれても、僕には何もわからなくて。
春は花粉が酷いし、夏は暑いし、秋は服装に困るし、冬は寒いし。
ちょうど良い気温で、ちょうど良い心でいられる季節があれば、それが好きと答えるけれど。
春は色とりどりの花の中で色とりどりの顔をする君がいて。
夏は高い空の下で眩しいくらいに笑う君がいて。
秋は少し肌寒くなった体を寄せて頬を染める君がいて。
冬は真っ白な世界で雪と舞う君がいて。
嫌いな季節、なんて聞かれれば。
君と出会ってしまった夏は、一番嫌いでいて、嫌いになれなくて。
君を手放してしまった冬は、またどうしようもなく呆れてしまうくらいには嫌いで、手のかかる季節だと、答えられるのに。